伝統工芸職人

Traditional Craft men & women in Taito city

桐工芸

宮田 健司

宮田 健司さんは桐木目込み細工の製品を製造販売している箱長の代表取締役です。

桐木目込み細工とは、桐のたんすや木箱に彫刻刀で図案を彫り、古代布といわれる年代物の着物のキレを木目込むみ、鈴やひょうたんなどの縁起物の図柄を描くことです。
桐工芸自体の歴史は江戸時代頃からといわれていますが、桐木目込み細工は箱長オリジナルの技法で明治以降に生まれました。その始まりは、嫁入り道具として定番だった桐たんすに木目込み細工を施したこと。
現在ではたんすだけでなく、大小さまざまなインテリア小物も制作しています。

桐木目込み細工の制作工程は、まず桐を使用して、たんすやインテリア小物などをつくります。そして図案に合わせて縁取る彫りを行います。これを「筋彫り」と言います。
筋彫りをさらに立体的に斜めに彫りこむ「さらい彫り」をした後、三角刀を使って溝を掘っていく「やげん彫り」を行います。
その後、溝に色をつける彩色を行い、図柄に合わせて切った布をヘラで合わせる「木目込み」を行ったら完成です。

宮田さんはいったん外の世界を知るために他企業に就職し、営業を1年半経験した後に家業を継ぎました。
小さい頃から家の手伝いをしていましたので、自分がいつか家を継ぐという意識はもっていたそうです。

宮田さんは最近、特に若手の育成に力を入れているのだそうです。
2006年に工芸高校の卒業生を採用したのをはじめとし、5名の若手を採用し育成しています。

「育成に力を入れる理由は、オリジナルの技法である桐木目込み細工の職人を育てていかなければと考えているからです。職場に若い人がいると活気がありますし、世の中の流れを知ることができ、刺激にもなっています。」と宮田さんは言います。

また、「最近のお客さんは商品をよく吟味している」と感じるそうです。安くてそれなりのものではなく、高くてもいいものがほしいという方が増えていると宮田さんは言います。

「仕事でやりがいを感じるのは、商品をおさめた後にお客さんが喜んでくれたときです。職人としていいものを作ることも大事ですが、買った後に喜んでもらえたら、これ以上の喜びはありません。
今後はさらに若手を育成し、場所・機械などの設備も充実させていきたいです。
そして、価格ではなく質で勝負できるモノづくりをして、お客様から支持される職人集団でありたいと思います。」と宮田さんは話します。


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(業種の歴史・製造行程・道具などを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。)

 

株式会社箱長
住所:台東区寿1-4-5(オレンジ通り店)
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