体験・見学コラム

Traditional Craft experience & tour

桐木目込み細工体験

株式会社箱長(オレンジ通り店)

箱長の四代目で代表取締役の宮田健司さんに、初心者でも参加できる体験教室で桐木目込み細工を教えていただきました。

桐木目込み細工とは、桐のたんすや木箱に彫刻刀で図案を彫り、古代布といわれる年代物の着物の布を用いて、鈴やひょうたんなどの縁起物の図柄を装飾する伝統工芸です。

箱長の体験教室では、自分の好きな布を選んでオリジナルの桐箱を作ることができます。
店舗の3階が体験スペースになっていて、まず宮田さんが木目込み細工の流れを写真パネルでわかりやすく教えてくれます。(今回ははっぴも貸してくれました!)
冗談を織り交ぜながら説明してくださるので、楽しく説明を受けることができました!

私は日本語がわかりますが、英語での体験も可能です!
英語で作業の手順が書かれたホワイトボードがあるので、外国の人も安心です。

体験教室で作ることができるのは、小物入れかお札が入るサイズの箱のどちらか。
いずれも桐材の箱で蓋の部分に図案が既に掘られており、その上に布を木目込(きめこ)んでいきます。
図案は何パターンかありますが、初回は難易度の低い柄を箱長さんで選んでくれます。
今回は、扇の図案が彫られている小物入れを選びました!
希望があれば図案を彫るところから教えてもらうことができます。(別途彫刻刀の購入が必要となります)

扇の部分に木目込みをする着物の布は、多くの種類から選べます。いずれも正絹で伝統的な柄の布です。
今回は、鮮やかな青地の布を選びました。

次に、着色の作業に入ります。顔料にニカワ(動物の皮や骨等を原料とするもの)が混ぜられた日本画用の鮮やかな絵の具の中から、布に合う色を自分で選びます。
布と絵の具の組み合わせ方次第で、仕上がりの雰囲気が大きく異なってくるので組み合わせを決めるのも楽しい作業です。
今回はグリーンを選択。
そして、水で溶かした絵の具の筆を使って、扇の骨の部分に塗っていきます。
溝はとても細いので、手が少し震えました!

塗り終わったら、台紙を切り抜く作業に移ります。台紙に扇の形が印刷されているので、それを切り取って型紙にします。その型紙は布をあとで木目込みしやすいようにするため、余裕をもって少し大きめに切り取ることがコツだそうです。先ほど選んだ布にテープで張り合わせて、丁寧に扇型に切り取ります。

布の裏には接着剤を塗りやすいようにあらかじめ和紙が張られているので、和紙の部分に接着剤を塗り、箱に彫られた扇の形に合うように乗せて貼り付けます。
ずれないように置くのに、少し緊張します・・・!

そして、布の上から扇のふちの部分に沿って、寝かせた状態でヘラを置き、ヘラを立てながらギュッと押し込んで木目込みます。
しっかり木目込むとふちの部分がへこみ、ふっくらとした立体感が出てキレイに仕上がるそうです。

扇の外周に沿うようにこの作業を繰り返して布を木目込んでいき、最後に宮田さんに見てもらいます。

木目込む力が弱く、布が少し浮いてしまっている部分など「ここをもう少し押し込むといいね」と言いながら、宮田さんが最後の仕上げをしてくれました。
そしていよいよ完成!

作った小物入れは、持ち帰ることができます。
小ぶりでかわいいので、アクセサリー入れにしようと思います!
宮田さん、ありがとうございました。

木目込み細工の教室は毎月1回木曜日に開催されていて、何年も通っている人もいるそうです。
単発で参加することも可能ですし、毎月通うこともできます。初回の参加は3,000円です。(税込み)
もし、別日程で体験したい場合は、7名以上なら別途開催できるそうなので相談してみてくださいね。

また、土日祝日限定で、店先で簡単にできる体験も受け付けているそうです。
こちらは、布がすでに型紙に合わせて切ってあるので、30分弱で仕上げられます。
費用は1,080円(税込み)です。

株式会社箱長
住所:台東区寿1-4-5(オレンジ通り店)
TEL:03-3843-8719
営業時間:10:30~19:00
定休日:年中無休

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