伝統工芸職人

Traditional Craft men & women in Taito city

看板彫刻

坂井 智雄

福善堂坂井看板店の四代目である坂井智雄さんは、看板彫刻師です。
現在は先代である父の保之さんと共に福善堂坂井看板店を営んでいます。

看板彫刻は、欅(けやき)や檜(ひのき)などの木の板(木地)に文字や模様を彫り、色づけを行います。
工程としては、まず看板の文字は書き師さんに書いてもらいます。その文字を看板のサイズに合わせて拡大プリントして木地に貼り、文字や柄のヘリが丸くなだらかになるように彫っていきます。
次に、下地を塗って木の目を埋めて平らにした後、水ペーパーで研いで塗る作業を3回繰り返して、ツヤを出します。

坂井さんが職人になったのは大学卒業してすぐのこと。他の道を考えたこともありましたが、幼い頃から祖母に「跡を継いでね」と言われ続けたこともあり、職人の道を選んだそうです。

「これまでで印象に残っている仕事は、水天宮前にある三原堂さんというお菓子屋さんの看板です。大きさが4m80cmもある大仕事でした。
一生懸命作った看板が、お店の目立つ場所に飾られている様子を見ると感慨深いです。」と坂井さんは言います。

木の看板と聞くとお店の看板をイメージしがちですが、最近は結婚祝いや新築祝いなどの招木札としても人気があるそうです。
木の札は年月を重ねるごとに味わいが出るため、招木札をもらった人たちと一緒に年齢を重ねていくところに魅力があります。
また、看板には文字だけでなく、絵や模様を彫ることもできるので、洋風の看板を作ることもできます。

「看板彫刻は彫刻刀を手前に引いて彫るので、一般の方が体験することは難しいのですが仕事の様子を見学することは可能です。店先が工房になっているので、小学生が社会科見学で来たり、写真を撮らせてほしいという外国人観光客の方が来たりしています。」と坂井さんは言います。


ショートver.

 

 


特別ver.
(業種の歴史・製造行程・道具などを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。)

 

福善堂坂井看板店
住所:台東区松が谷3-4-1
TEL:03-3841-5801