とうきょうくみひも
東京くみひも
東京くみひもは、色とりどりの絹糸を交互に組み上げてつくる東京の伝統工芸品です。
<歴史>
くみひもの歴史は古く、その技術・技法は中国や朝鮮を経て今から約1300年前の奈良時代に伝えられ、お経の巻き物やけさ、帯、かぶとやよろいのおどし糸や刀の柄つかまき、着物など、時代とともにさまざまなものに使われるようになりました。
くみひもを作ることは、武士の仕事として行われていたと言われています。今から約400年前の江戸時代、徳川家康が江戸(現在の東京)に幕府を作り、武家の中心地が江戸になったことから、江戸が一番の産地となりました。
<特徴>
色とりどりに染色した絹糸を組み上げて作られる組紐のなかでも、とくに東京くみひもは、糸が交差する組み目が、江戸のわび・さびを感じさせる渋い色合いで魅力となっています。
現在では帯締めや羽織ひも、ネクタイから携帯ストラップまで幅広く愛用され、今に受け継がれる伝統工芸品となっています。
<匠の技のポイント>
①糸染め:無地染め、ぼかし染め、または段染め
②組み上げ:7種類の組み台を使い、ヘラにより打ち込みやあやとりなど、さまざまな技法で染め糸を組み合わせて編み込んでいく
<伝統的な材料>
生糸、絹糸、金糸や銀糸
<台東区>
台東区・中央区・千代田区などで製作されており、今も確かな技術と伝統が守られています。