とうきょうぎんき
東京銀器
「東京銀器」は主に東京都で作られている銀の工芸品です。
<歴史>
日本での銀器の歴史は古く、今から約1100年前の書物に記録が残っています。本格的な銀製品の生産は、各地で銀山が発見され、西洋から新たな技術が伝わった時、今から約650年前の室町時代以降といわれています。
今から約400年前の江戸時代に現在の銀座である銀座役所において銀貨が作られていたことや、経済が発展し、銀がアクセサリーなどの装飾品として好まれたことなどから、江戸時代には、一般の人の間でも銀製品が広く使用されていたことが明らかになっています。
<特徴>
主な製作方法は、1枚の丸い銀を金づち(工具)やアテ道具(工具)でつぼのようにたたいて丸めて形を作る「鍛金」、金づちとたがね(工具)で表面に模様を打ち出したり、素材の表面をたがねで彫ったりして、装飾する「彫金(彫刻)」、絵柄の部分を切り抜き、別の金属をはめ込んで素材の色の違いで装飾する「切嵌」、そのほか様々な伝統的な技法で食器や装飾品、置物などの製品がつくられています。
<匠の技のポイント>
①金づちとアテ道具で形を作る「鍛金」(打ち物)
②銀ろう付け(カシメびょう止めの場合もあり)により、くっつける
③金づちやはがねを使った彫金(彫刻)による模様打ちや「透かし」
④煮込み法、金古美液またはタンパン古美液を使った着色などの色仕上げ
<伝統的な材料>
純度1,000分の925以上の銀
<台東区>
東京が銀器の産地の中心として栄えることとなり、今日に至っています。日本の銀製品は、今から約155年前のパリ万国博覧会で世界に広く知られることになりました。東京、とりわけ台東区が主要な産地となっています。