きんぎんすなごが
金銀砂子画
「金銀砂子」とは、金箔や銀箔(金や銀を叩いて薄くしたもの)などを細かい粉状、もしくはごく細く切ったもの(切箔)や細い糸状に切ったもの(野毛)を用いて装飾を行う日本独自の技法です。
<歴史>
今から約1000年前の平安時代の終わり頃にまでさかのぼると言われ、写経(仏教の教えを書き写すこと)や巻物、のちに襖や屏風、書物の表紙の装飾に長いあいだ使われ続けていて、各地の歴史的な建物の襖や、巻物、屏風といった美術品などに見ることができます。
<特徴>
薄いにかわ液(動物の皮や骨などの中にあるコラーゲンを抽出したもの:古来の接着剤)を塗った紙や板の上に、金箔や銀箔を切箔や粉(砂子)に加工して、ふりかけるようにまいて模様を描くことを金銀砂子細工と言います。長く受け継がれてきた日本の伝統の技法を用い、その繊細な味わいを生かしながら、絵画としてオリジナリティのある立体感にあふれた作品を作り続けています。
<匠の技のポイント>
①竹をナイフのように使用して、金箔を切って切箔を作り、さらに細く糸状に切って野毛を作る
②紙や板などににかわを塗り、金粉を入れた竹筒をトントンと軽く叩いて、少しずつ金粉を落として模様を描き、野毛などの切箔なども置いていく
③にかわが乾いたところで「とめ」をひき、金の油をおさえて密着させる
<伝統的な材料>
金箔、金粉、銀箔、にかわ、ときに漆(漆の木の樹液)
<台東区>
台東区には、金銀砂子で絵を描く「金銀砂子画」を製作する職人おり、今も確かな技術と伝統が守られています。