ふくろもの
袋物
「袋物」とは、袋の形をした物入れの総称で、巾着(きんちゃく)や財布、ポーチやバッグなどのことです。古代・中世には、さまざまな大きさや材質の袋物が衣類、夜具、食物など多様な物品の携行に使われましたが、近世以降は挟箱(はさみばこ)、葛篭(つづら)や行李(こうり)など各種の携帯用収納具が普及したため、袋物は日用の携帯用小物入れとして利用されることが多くなりました。
それらの小物を入れて携行する袋物には、紙入れ、合切袋(がっさいぶくろ)や胴乱(または筒卵:現在のバッグ)など多岐にわたりましたが、江戸時代(1603~1867年)の町人文化が栄えた頃には、とりわけ煙草(たばこ)入れが庶民の装身具としてもてはやされ、こぞって洒落(しゃれ)た煙草入れを持ちました。そのため、実用性と装飾性を充実させていきました。
袋物は、牛革や鹿革、布地などが素材として使われています。
まず、作る袋物に合わせた型紙を作成し、型紙に沿って裁断。その後、コバ漉(す)きという機械を使用して、縫製などがしやすいように革を漉きます。そして、ミシンなどを使用して縫製します。
製品によっては、布地に文字や絵柄を印刷するシルクスクリーン製版を作ったり、組紐(くみひも)職人などと連携したりして仕事を進めています。
現在は、煙草入れの技術を使って、スマートフォンやめがねケースなど時代に合わせたさまざまな用途の袋物が作られています。
ショートver.
特別ver.
(業種の歴史・製造行程・道具などを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。)