金銀砂子体験
深匠(しんしょう)
深匠(しんしょう)という工房を開いている職人の田部井 稔さんに、金銀砂子を教えていただきました。
金銀砂子とは、金粉や銀粉をまぶすことで、板や紙などに華やかな模様を描く伝統工芸です。
金銀砂子はさまざまな素材に装飾ができますが、今回は俳句などを書く短冊に金銀砂子をあしらう体験です。
体験は田部井さんの工房で受けることができます。
一つひとつの工程を、田部井さんがお手本を見せながら説明してくださいます。
まず、竹をナイフとして使用して、金箔を小さな四角形に切り、短冊の上にのせる「切箔(きりはく)」をつくります。竹で切る理由は金箔が非常に薄いため、竹をナイフとして使用することでなるべく静電気を起こしにくくするためです。
田部井さんがスムーズに作業をされるので簡単そうに見えるのですが、竹を使用しても多少の静電気は起こってしまうため、キレイに切るのはなかなか大変です。
うまくできないときは、「もう少し力を抜くといいよ」など、アドバイスをくれるので安心です。
無事に切箔が完成しました!
次は、ナイフを縦に上下させながら、金箔を糸状に切って「野毛(のげ)」をつくります。
田部井さんの野毛、とっても繊細な細さです。
一方、私もチャレンジしましたが、太く仕上がってしまいます。
すると、「細く切るには、あまり力を入れすぎないほうがいいよ」とアドバイスをいただき、最後の方は少し細い野毛を作ることができました。
今回、作る短冊をイメージするために、田部井さんがこれまでに作った短冊を見せてくださいました。
見せていただいた短冊は、切箔がちりばめられていて、絵のように優雅でとっても繊細な仕上がりで素敵です!
さらに、田部井さんが目の前で短冊を1枚作ってくれました。
次は、いよいよ私の番です・・・!
まず、短冊に接着剤の役目をしてくれる「にかわ」を刷毛につけて塗ります。
(にかわはゼラチンを主成分とする物質で、木竹工芸の接着剤として使用されています)
「どう装飾するかは自由な発想でいいよ!」という力強い言葉をいただき、先ほどつくった切箔、野毛、竹筒に入れてある金粉や銀粉などを使用して、田部井さんの見本を参考にしながら模様を描いていきます。
切箔や野毛を筆で少しずつ落とす作業は、なかなか思ったところに落ちてくれませんでしたが、少しずつ筆の扱いにも慣れ、自分のイメージをふくらませながら装飾していきました。
竹筒の金粉を使用するときは、筒を傾けながらトントンと刺激して、穴が空いている筒の底から少しずつ金粉を落とします。落とす際、筒を押す強さによって出てくる金粉の量が違うので、強さを調整するのがポイントだそう。
装飾が終わって、短冊に塗った「にかわ」が乾いたら、金の油をおさえる役割がある「とめ」を刷毛で塗り、しっかりと密着させて完成です!
田部井さんが金銀砂子で描かれた絵の前で、写真を撮らせてもらいました。
田部井さん、ありがとうございました!
体験教室の費用は4,000円(税抜)。学生さんが複数(1回につき6名まで)で体験する場合は2,500円(税込)です。
深匠(しんしょう)
住所:台東区松が谷4-22-1 TEL:03-5828-1130
営業時間:不定期
定休日:不定期(月・水は体験教室をやっている)
砂子体験教室要予約
1回につき6名まで
時間:3時間迄(相談可)
一般:4,000円(消費税別)
学生:2,500円(消費税込)