伝統工芸職人

Traditional Craft men & women in Taito city

東京三味線

堀込 泰成

400年続く菊岡三絃店で5代目として東京三味線を作るのは堀込泰成さん。

父から継ぐように言われていたわけではありませんが、子どものころから仕事場が好きだったという堀込さん。この仕事は向き・不向きがあるものの、父からは向いていると言われることもあり、家業を継ぎました。
三味線は、まず棹の部分を3つに分け、ノコギリとノミで「ほぞ」と「溝」と作りながらつなぎ合わせていきます。次に胴部分の内側に音の響きを良くするために「綾杉彫り」という加工を施します。これによって三味線の音が決まる、重要な工程です。その後、材料同士を接着させる「銅付け」を行い、「皮張り」をしていきます。
近年だと昭和の民謡ブームの時はだいぶ三味線が出回りましたが、職人によって仕事の量の差が激しいということです。三味線の弾き手は高齢化し、あとに続く人がいないため新しい三味線を作ることは少なく、修理の仕事がメインとなっています。加えて、ワシントン条約により輸入が禁止された材料があり、入手が非常に困難となって三味線作りの状況はあまり芳しくありません。
堀込さんは、東京三味線の製作だけでなく、東京三味線と東京琴の普及活動を行っている東京邦楽器商工業組合に所属し、その普及にも努めています。同団体では、両国の「江戸東京博物館」で、職人が楽器を製造する風景を間近に見て、実際に楽器を演奏することもできるイベントを20年以上、毎年続けています。
「三味線の音色は日本らしく、日本にあっている音だと思う。ワークショップのような機会で若い人にも触ってもらって、三味線をもっと広く普及させたい」と堀込さんは話します。


ショートver.

 

 


特別ver.
(業種の歴史・製造行程・道具などを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。)

 

菊岡三絃店
住所:台東区根岸3-12-12
営業時間:09:00~19:00
TEL:03-3873-2087

定休日:日曜