ふくろもの
袋物
「袋物」とは、袋の形をした物入れの総称で、きんちゃくや財布、ポーチやバッグなどのことです。
<歴史>
昔からさまざまな大きさや材質の袋物が衣類、夜具(布団など)、食物などさまざまな物品を持ち歩くことに使われましたが、今から約200年前の江戸時代以降ははさみ箱、色々な携帯用収納具が広まったため、袋物は日用の携帯用小物入れとして利用されることが多くなりました。小物を入れて携行する袋物には、紙入れ、合切袋(小型の下げ袋)や胴乱(現在のバッグ)など色々ありましたが、とりわけ煙草入れが装身具として人気になり、こぞってしゃれた煙草入れを持ちました。そのため、実用性と装飾性を充実させていきました。
<特徴>
袋物は、牛革や鹿革、布地などが素材として使われています。まず、作る袋物に合わせた型紙を作成し、型紙に沿って切ります。その後、コバすきという機械を使用して、縫いやすいように革をすきます。そして、ミシンなどを使用して縫います。製品によっては、布地に文字や絵柄を印刷したり、くみひも職人などと連携したりして仕事を進めています。
<匠の技のポイント>
① 型紙を作り、型紙にそって革や布地を切る(数が多い場合、型紙通りの抜型を作り、切る)
② 加工しやすいように革をすいて薄くする「コバすき」をする
③ ミシンなどで縫う
④ 木型などを差し込んで木づち(工具)でたたくなどして形を整える
<伝統的な材料>
牛革、鹿革、布地
<台東区>
台東区には袋物職人がおり、現在は、煙草入れの技術を使って、スマートフォンやめがねケースなど時代に合わせたさまざまな用途の袋物が作られています。