ゆみや
弓矢
「弓矢」は、弓と矢からなり、遠くの獲物に気付かれず、素早く仕留められる道具です。
<歴史>
矢尻(矢の先のとがった部分)は、今から約3万8千年前から1万6千年前の旧石器時代の物でも見られることから、弓矢は長く狩猟のために使われてきたと考えられ、とても長い歴史を持っています。後に武器として使用され、神事(神を祭る儀礼)にも使われるようになります。その後、弓矢を製作する技術は、今から約1200年前の平安時代の中頃から多くの工夫がなされ、今から約700年前の鎌倉時代初めにはほぼ現在と同じような技法が完成したとい言われます。矢を専門に作るようになったのは、今から約400年前からと言われています。
<特徴>
矢作りには高度な技術が要求され、多くの工程を経て手間暇をかけて作られます。矢は4本を一組として使用するため、矢作りも形・重さ・色など寸分の違いがないよう4本ずつ製作しなければなりません。素材となる竹を選ぶとこから始まり、曲がった竹をまっすぐにする「ため」の作業を各工程で行い、太さ、重さ、バランスを調節しながら仕上げていきます。とりわけ、矢竹(竹の種類)を台の上にのせ、手のひらでくるくるまわしながら、小刀で竹の節や芽を削り、矢の本体の形とバランスを整える「くるまかけ」といわれる作業と、竹を燃やさないように気を付けながらかまどの火に通し、竹のゆがみを直して直線にし、全体に茶色の焼き色をつける「火入れ」と呼ばれる作業は、とても高い技術が必要な難しい作業です。
<匠の技のポイント>
①矢竹を台の上にのせ、手のひらでくるくるまわしながら、小刀で竹の節や芽を削り、矢の本体の形とバランスを整える「くるまかけ」
②曲がった竹を火にあぶりながらまっすぐにし焼き色を付ける「火入れ」
③長さをそろえて、4本の重さやバランスをもっとも重いものに合わせ、まつやにに鉄粉を混ぜた重りを入れて調節
<伝統的な材料>
軸には竹、わしやたかなどの羽根(ワシントン条約の保護対象で、とても少なくてめずらしいもの)
<台東区>
台東区内では「矢師」と呼ばれる職人が、昔ながらの技法で矢を作り続けています。