てぬぐい
手拭
手拭の昔の呼び名は「たのごひ」で、「た=手」「のごひ=拭う」という意味があります。はじめは神様や仏様に対して、物や体をきよめる道具として使われていました。寺社へお参りする時、髪が出ないようにかぶることもあったことから、かぶりものとしても使われるようになり、しだいに日よけや雨よけ、ほこりよけに使われるようになっていきました。「手拭」と呼ばれるようになったのは今から約400年前の江戸時代です。
<歴史>
江戸時代より前は絹や麻で作られており、高級品でした。江戸時代に高価な輸入品だった木綿が日本国内で作られるようになると、手拭も木綿製になり、一般の人の間にも広がりました。手拭の幅は、反物(着物を仕立てる布)の幅(約35センチ)でしたが、長さについては、使い道によって反物から必要な分だけ買う習慣があったようです。それが江戸時代の終わり頃になると現在の手拭に近い長さの90センチのものも売られるようになりました。
<特徴>
かぶりものとしての使い方のほか、体を拭う、洗う、食器を拭く、包みものにする、裂いて下駄の鼻緒などのひもにして使う、衿掛け、ねじり鉢巻、縫い合わせて浴衣にする、帯にするなど、身近で便利なアイテムとして愛用されました。手拭は、その使い勝手の良さと、様々な色とデザイン性から、宣伝用、歌舞伎・落語などの小道具、結婚式、誕生などの名入りの記念品等として広く使われています。
<匠の技のポイント>
①下絵を描く:型染の工程をもとに、彩色・デザインする
②型作り:型屋が原画にそって型を彫刻刀で彫る
③ 染め:型をもとに染屋が1色ごとに染める
<伝統的な材料>
木綿
<台東区>
台東区には親子三代に渡り伝統技術をつないでいる、染め絵手拭の職人のお店があります。