平本工房を営む職人の平本 彌市さんに、彫金を教えていただきました。
彫金とは、銀などの金属を溶かし、成形して指輪やブレスレットなどの装飾品を作る伝統工芸です。
今回の体験で挑戦するのは、銀の指輪。
様々な工程がありますが、一つひとつ平本さんが先にお手本を見せてくださり、そのあと実践するという流れです。
まず、小さな粒上の銀の地金をバーナーで溶かし、溶けた銀を棒状の型に流し込むと、銀が冷えて固まり棒状になります。
バーナーで火を扱う体験はしたことがないので、最初はおそるおそるやっていましたが、「もう少し、お皿の真ん中に火を当てるといいよ」と平本さんにアドバイスをもらい、少しずつ慣れてきました。
一般的な彫金教室は金属の棒を購入して、装飾品を作ることが多いそうですが、平本さんは地金を棒状に加工する技術から教えています。
なぜなら、この技術を知っていると、地金の状態で安く材料を仕入れられ、設備があればすべて自分でできるから。
そのため、平本工房で彫金の技術を一通り習得した後に、自分の工房を開く方も多いそうです。
しばらくして金属が棒状になったら、はじっこのギザギザした部分を金属用のはさみで切り、金属のやすりを使って滑らかにします。
次に金槌を使い、金属の断面が長方形から正方形になるように形を整えます。
金槌の使い方に慣れるまで、平本さんが見ていてくださるので安心です。
しばらく叩いて、金属の形が変わりにくくなってきたらバーナーで熱します。
すると、金属が柔らかくなり、また成形しやすくなります。
その後、ローラーという機械に金属を入れて、レバーを回して金属を伸ばしていきます。途中で金属が固くなったら、バーナーで熱します。その作業を2、3回繰り返して、ちょうどいい長さになるまで何度もローラーにかけます。
次に、指輪の表面に模様を入れるために、今度は金槌のへりを使って金属の表面を打っていきます。
「規則的ではなくランダムに模様を入れたほうがかっこよく仕上がるよ」と平本さんに教えていただきながら、模様を入れていきました。
最初は、力の入れ加減がわからなかったのですが、慣れるととても楽しい作業です!
表面に模様を入れ終わったら、指輪を何号サイズに仕上げたいかを決めます。
そして、サイズに合うように、木槌を使って金属を少しずつ曲げていきます。
なかなか思うように金属が曲がらず苦戦しましたが、私が2、3分作業した後、最後は平本さんが仕上げてくださいました。
最後に、指輪を磨く機械に指輪を入れて磨き、指輪が完成しました!
サイズも指にぴったりです。
いくつか初心者には難しい工程もありましたが、平本さんがとてもわかりやすく優しく教えてくださったので、楽しく体験できました。
平本さん、ありがとうございました!
体験教室は3,000円で受けることができ、平本工房に入会した場合はこの費用は返金されます。