江戸木彫刻 宗舟(そうしゅう)
ギャラリー見学
宗舟
歴史的に優れた木彫刻を現代に伝える「宗舟」。
約100年前に創業し、神社仏閣の建築彫刻と仏像などの置物を製作しています。
初代横谷光一さんは柴又帝釈天の「法華経説話彫刻」のうち法師修行の図を、二代目の芳一さんは同じく柴又帝釈天の群猿遊戯図を手がけました。現在工房を守る三代目の光明さんは海外での展示にも力を入れており、その元で四代目の昭則さんが日々研鑽を積んでいます。
「宗舟」では1階にギャラリーと作業場があり、じっくりと自分のペースで見学することができます。
ギャラリーには、根付から観音菩薩などの仏彫刻、置物などが展示されていて、どの作品も購入可能です。
迫力の獅子頭から仏像など、表情豊かな木彫刻はいつまでも眺めていたくなる温かみがあります。
また、額に収められた木彫刻作品や日光東照宮に見られるような極彩色の塗料により、色付けされた鏡などは芸術性が高く美術館に来たような感覚になりました。
作業場の見学は希望があれば見せていただくことが可能です。
見学に伺った日は、四代目・横谷昭則さんと、三代目・横谷光明さんのお弟子さんが神社の正面部分に飾る彫刻である寺社彫刻の作業を行っていました。
普段は展示会向けのものや小物の制作をしていることが多いそうなので、ダイナミックな寺社彫刻の作業を見ることができたのは貴重な体験でした!
特別に2階の倉庫も見学させていただきました。
そこには初代・横谷光一氏が手がけた柴又帝釈天 題経寺の彫刻「法師修行の図」の原画が大切に保管されていました!滑らかな曲線、壮大な世界観に圧倒されました。
一般的に下絵から彫りまで彫刻師が行いますが、「宗舟」でも下絵は全て職人自らが描いているそうです。
三代目・横谷 光明さんにお聞きしたところ「特に絵は勉強していなかったようだけど、上手かったようです」とのこと。
歴史的に優れた木彫刻の技術を今に伝え、伝統の技を磨き続け、後進の育成にも力を入れている「宗舟」。都内で木彫刻見学が可能な貴重な場所でもあります。
タイミングによっては、今回のように神社仏閣などの建築彫刻という、とてもダイナミックな彫刻が鑑賞できるチャンスもあります。
是非、伝統の技術を見学しに足を運んでみて下さいね!
・営業時間:9時〜17時
・定休日:日曜・祝日 ※臨時休業あり