江戸鼈甲
赤塚 顕
べっ甲はウミガメの一種、タイマイの甲羅、腹、爪を素材として作る伝統工芸品で、それらの素材を型取りして糸のこで切り取って厚みを均一にし、割ったり熱を加えたりすることで成形し、磨いて仕上げていきます。
赤塚顕さんがべっ甲職人を務める赤塚べっ甲製作所では、主にべっ甲を眼鏡や、ネックレス、イヤリングなどのアクセサリーに加工しています。眼鏡は専門店に卸して販売。工房ではアクセサリーを販売しています。とくに眼鏡の需要は多く、納期に追われている状態にあることも多いそうです。
べっ甲は天然の素材なので、肌触り、色合いがよいのが特徴です。とくに眼鏡は軽く、長く身に着けるほどになじんでフィットしてきます。金属アレルギーの人でも身に着けることができるのがべっ甲のメリットで、壊れても熱で曲げたり接着したりして修理できるので、一生に渡って使い続けられる品です。
べっ甲職人の抱える大きな課題は、20年以上、原料が輸入できない状況にあることです。ワシントン条約でタイマイの輸入が禁止され、現存するタイマイの価格は高騰し入手困難になっています。沖縄・石垣島でタイマイの養殖に取り組んでいますが、まだ実用化のめどはたっていないそうです。
赤塚さんは2代目ですが、すぐには職人にならず、一度、就職を経て工房に入りました。それもよい経験だったと赤塚さんは言います。「職人には根気があること、そして妥協しないこと、それがあれば誰でもできると思う」と話します。
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(業種の歴史・製造行程・道具などを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。)
有限会社赤塚ベッ甲製作所
住所:台東区谷中7-6-7
営業時間:08:30~19:00
TEL:03-3828-7957
定休日:不定休