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きりこうげい
桐工芸
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桐工芸

桐たんすが作られはじめたのとほぼ同じ時期、江戸時代(1603~1867年)に桐工芸は始まったとされます。桐はとても軽くて柔らかく、また通気性に富んだ優れた素材で、さまざまな用途のものを作るのに適していたことから、長持(ながもち)をはじめとする木箱や、より小さな家具類を桐で作るようになったのでしょう。

台東区には、たんすや小物家具を製作する桐工芸のなかでも、明治時代(1868~1912年)に独自の「桐木目込み細工」というジャンルを切り開き、製作をしている工房があります。「桐木目込み細工」とは、桐のたんすや木箱に彫刻刀で図案を彫り、和紙で裏打ちした古代布といわれる希少な年代物の着物の布地および正絹着尺反物(しょうけんきじゃくたんもの)を活用して、鈴や瓢箪(ひょうたん)、蜻蛉(とんぼ)などの縁起物の図柄で装飾する技法のことです。
かつて嫁入り道具として定番だった桐たんすのほか、美しく華やかな桐木目込み細工の施された桐箱、ティッシュケースや小物入れなどのインテリア小物などは人気を集めています。

また、「美術桐箱」は、美術品や茶道具をはじめ、書物や反物、宝飾品など多岐にわたるものの特性を見極め、職人の緻密な計算により収納するものの価値を高めるよう丁寧に作られた桐箱です。

■技のポイント(桐木目込み細工)
  • 図案に合わせて下地彫りを行う。まず図案を縁取りするように彫っていく(筋彫り)
  • 筋彫りをさらに立体的に斜めに彫り込む(さらい彫り)
  • 三角刀を使って溝を彫っていく(やげん彫り)
  • 溝に色をつける(彩色)
  • 和紙で裏打した正絹の着物を図柄に合わせて切り、ヘラを使って彫った溝にしっかり入れ込む(木目込み)
■伝統的な素材・材料

桐、年代物の着物地(古代布)および正絹着尺反物地の端切れ

■特殊な道具

木目込みヘラ、数十種類に及ぶ彫刻刀

■工房紹介

深井桐箱製作所
深井惣一
台東区上野5-12-7
03-3831-5013

株式会社箱長
宮田新司・宮田健司・宮田和彦
台東区寿1-12-11・台東区浅草3-40-2
03-3843-8731
https://www.hakocho.com/