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とうきょうてうえぶらし
東京手植ブラシ
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東京手植ブラシ

明治7(1874)年ころ、「ブラシ(刷毛)」はフランス製刷子(さっし)を手本として製造され始め、当時は「洋式刷毛」と呼ばれ、明治10年に上野公園で開かれた第1回内国勧業博覧会では「西洋型」として好評でした。当時、洋式刷毛の製造に携わったのは従来の刷毛職人たちでした。

明治21年(1888年)には、百三十銀行頭取の松本重太郎により日本最初の刷子製造会社が設立されます。その後、ブラシは次第に普及していき、ブラシ製造業は東京・大阪を中心に発展していきます。産業界で機械化が進むに従い工業用ブラシが使われるようになり、また生活の欧米化が進むに従い、洋服ブラシなどの家庭用ブラシの需要が高まり、和歌山などでは大規模な機械によるブラシの大量生産が始まり、大阪・和歌山で工場の機械化が進むことになります。

その一方、東京ではもともと工業用ブラシ業者が多かったため、耐久性が高い手植えによるブラシが作られていました。手植えブラシは引き線と呼ばれるステンレス線により連続して植毛されているため、一穴ごとに植毛されている機械植えに比べて毛が抜けにくく長く使えることが特徴です。
洋服ブラシ、ヘアーブラシ、靴ブラシや木版画用ブラシなど、その種類はさまざまで、それぞれの用途に合わせて毛を使い分け、製作されています。こうした伝統的な手植え植毛による東京手植ブラシは台東区が主な産地として知られています。

■紹介動画
■匠の技ポイント
  • 木地に職人自らが作製した金型を当て墨で毛を植毛するあたりを付け、代々引き継がれている『特殊な錐』で穴をあける
  • 植毛前の毛は櫛をかけて丁寧に整毛する。
  • あけた穴に自らの感覚を頼りに毛の量を測り独自の手法で植毛する。(植付け)
  • 蓋付けを行い、釘打ちをして木地と蓋(ふた)を固定、最後に毛の長さを整える「刈り込み」をする
■伝統的な原材料・素材

毛材:刈萱(かるかや)、パーム、パキン、シダ、ツグ、馬毛、豚毛、山羊毛
木地材:桂、ホウ、ケヤキ、栗、桜、ブナ、竹

■工房紹介

宮川刷毛ブラシ製作所
宮川久美子
台東区元浅草2-10-14
03-3844-5025
http://edo-hake-brush.com/