MENU
とうきょうくみひも
東京くみひも
41

東京くみひも

組紐(くみひも)の歴史は古く、その技術・技法は中国や朝鮮を経て奈良時代(710~794年)に伝えられ、仏教の伝来に伴うお経の巻き物や袈裟(けさ)、貴族の礼服の束帯(そくたい)さらに武士の台頭による兜(かぶと)や鎧(よろい)のおどし糸や刀の柄巻(つかまき)、着物など、時代とともにさまざまなものに使われるようになりました。

組紐の生産は、武士の生業として行われていたといいます。江戸時代(1603~1867年)、徳川幕府の開設によって武家の中心地が江戸になったことから、江戸が一番の産地となりました。
しかし明治時代(1868~1912年)に入り、廃刀令が出され武士がいなくなったことで需要が激減し、組紐業の存続が危ぶまれたこともありました。そんな折、芸者が「お太鼓結び」と呼ばれる組紐を使った帯の結び方を考案し、それが広まっていったことで組紐の需要は復活し、現在では帯締めや羽織ひも、ネクタイから携帯ストラップに至るまで幅広く愛用され、今に受け継がれる伝統工芸品となっています。

色とりどりに染色した絹糸を組み上げて作られる組紐のなかでも、とくに東京くみひもは、糸が交差する組み目と、京の王朝貴族の華やかさとは対照的な江戸のわび・さびを感じさせる渋好みの色合いが魅力となっています。

■匠の技ポイント

糸染め:無地染め、ぼかし染め、または段染め
組み上げ:7種類の組み台を用い、ヘラにより打ち込みや綾取りなど、さまざまな技法で染め糸を組み合わせて編み込んでいく

■伝統的な原材料・素材

生糸、絹糸、金糸や銀糸

■製作に使われる特殊な道具など

角台(かくだい)、丸台、綾竹台、重打台、高台、内記台(ないきだい)および籠打台の7種類に分類される組み台(組紐を組み上げるための台)

■工房紹介

桐生堂
羽田眞治
台東区清川1-27-6
03-3873-2105
https://kiryudo.co.jp/