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むらやまおおしまつむぎ
村山大島紬
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村山大島紬

「縞(しま)」とは2色以上の色糸で経(たて)、横(よこ)に種々の筋を現した生地のことで、「絣(かすり)」はかすれたような模様が織り出された生地のことを指します。いずれも南蛮貿易によって渡来した南方系の木綿織物の柄であると言われますが、江戸の元禄期(1688~1704年)には縞模様の木綿織物が織られはじめ、文化期(1804~18年)に村山絣が生まれました。
明治時代(1868~1912年)中期から太織縞(ふとりじま)、黒紬(くろつむぎ)、縞銘仙(しまめいせん)等の着物の生産が行われていた村山産地では、この絹織物の技法と長年培ってきた高度な生産技術を基礎に、新しい銘仙の開発が行われました。伊勢崎(群馬県)から板締(いたじめ)染色、絣板の製造、経巻(たてまき)等の技術導入とともに、玉繭(たままゆ)による絹織物である「砂川太織り」の技術とも融合し、村山産地の織物は木綿絣から絹織物の大島紬へと大きく転換していき、「村山大島紬」誕生に至ります。

村山大島紬の特徴は、絣糸を独特の板締注入染色法で染めることにあります。板締染色法は、絣板に織物専用方眼紙に図案を描いた下図をもとに溝を彫り、絹糸をその板で挟んで締めて圧力をかけ、染料を注入して染める技法のことです。織物専用方眼紙に図案を描き、それをもとに板締染色に使われる絣板(経、緯あわせて150枚ほど)に溝を彫ります。この板彫りから糸の巻き方、並べ方まで熟練を要する高度な技術に支えられ、すべて手作業で時間と手間を惜しみなくかけ、精緻で深い味わいの絣模様が織り出されます。

■技のポイント
  • 板締めにより絣糸の染色
  • 経糸(たていと)および緯糸(よこいと)に絣糸を用い、経糸の絣と緯糸の絣とを手作業により柄合わせし、絣模様を織り出す
■伝統的に使用されてきた原材料

生糸

■特殊な道具

樹齢100年以上の水目桜を使用した絣板

■工房紹介

染織工房 たかしょう
高山金之助
埼玉県入間市新久582-1
04-2936-1801
http://www.ictv.ne.jp/~takashou/index.html

田房染織
田代隆久
武蔵村山市三ツ木2-46-1
042-560-0116
http://tahusa-dyeingweaving.tumblr.com/