伝統工芸職人

Traditional Craft men & women in Taito city

江戸木版画

長尾 雄司

江戸木版画とは、下絵を描く「絵師」、その下絵を版木に彫る「彫師」、版木を使って絵を紙に摺る「摺り師」の3つに役割が分かれています。

江戸木版画職人の長尾雄司さんは、弟の次朗さんとともに長尾版画匠の3代目を担っています。長尾版画匠は、もともとは摺りの専業でしたが、懇意にしていた彫師が高齢で職を引退したため、弟の次朗さんが彫師に弟子入りし、現在は次朗さんが彫りを担当、雄司さんが摺を担当するというかたちで版画作りを行うようになりました。
摺りの工程は、まず絵具を版木の上に乗せ、刷毛で全体に広げていきます。版木に付けた印に合わせてずれないよう紙を置きます。馬楝と呼ばれる道具を使って紙に絵具をしっかりと押し当てていきます。淡い色から濃い色の順番で、この作業を15~20回ほどさまざまな色の絵の具で繰り返すことで、何色もの版が重なった美しい版画が完成します。
「京都の木版画は塗料がぼてっとしているのに対し、江戸木版画は薄く摺るのが特徴です。薄く摺ることは技術的な難しさもありますが、それによって生まれる透明感が身上です」と雄司さんは話します。一人前の摺師として、浮世絵が摺れるようになるまで10年はかかるといいます。
江戸木版画に使用する紙は伊予紙、越前紙などがあり、前者は神社や仏閣に参拝を行った記念として貼る千社札、後者は浮世絵などに使われますが、そういった紙を作る職人も減っており、加えて江戸木版画職人の数自体も減少傾向にあり、作品の希少性はますます高まっています。

長尾版画匠
住所:台東区元浅草1-1-1
営業時間:10:00~18:00
TEL:03-3847-0772

定休日:不定休